Silverlicious -シルバリシャス-
作:Victoria Kann。
あらすじ
もうすぐ歯が抜けそうなピンカリシャス。弟のピーターのチョコチップクッキーを横取りしてガブリとかみついたときに、歯が抜けました。
でも・・・抜けたのは歯だけではなかったみたい。Sweet Toothもなくしてしまったようで、甘さを感じなくなってしまったのです。
その晩ピンカリシャスは、何か甘いものが欲しいとTooth Fairy(歯の妖精)に手紙を書いてベッドに入りました。
次の朝、ピンカリシャスが目を覚ますと部屋はハートでデコレーションされ、枕元にはハート形のキャンディが3つ。そしてTooth Fairyではなくキューピッドからの手紙が残されていました。
ピンカリシャスはキャンディを食べてみましたが、唐辛子のよう!全然甘くありません。でも、弟のピーターはおいしいと言って食べました。
キューピッドに文句の手紙を書いたピンカリシャス、一晩中起きてキューピッドの写真を撮ってやろうとカメラを準備して、ベッドに入ります。
次の朝、結局眠ってしまったピンカリシャスが目を覚ますと、枕元には3つのゼリービーンズとイースターバニーからの手紙があり、部屋にはイースターエッグがたくさん。
ゼリービーンズもおいしく感じなかったピンカリシャスは、イースターバニー宛ての手紙で、Tooth Fairyにおいしいものを持ってきてくれるよう頼んで、と書きます。今夜こそ起きてイースターバニーをつかまえようと、虫取りアミも用意してベッドに入ります。
次の朝は、枕元に3つのキャンディーケーンとエルフ(妖精)からの手紙がありました。
キャンディーケーンは歯みがき粉のような味でおいしくありません。「きっとプレゼントもあるんじゃない?うらやましい。」というピーターに、甘いものが欲しいのにと不満ばかりのピンカリシャス。
ピンカリシャスは、Tooth Fairyへの手紙を書いて眠りました。次の日にはようやくTooth Fairyからの手紙と、コイン型のチョコが3つ、枕元にありました。
Tooth Fairyからの手紙には、「Sweetnessは心の中からわき出てくるもの。もしあなたがsweetだったら、世界は甘いものであふれているわよ」と書かれていました。
ピンカリシャスは、これまでの行いを反省します。ピーターのクッキーを取ったこと、キャンディーやゼリービーンズに文句ばかり言ったこと。
ピンカリシャスは、キューピッドとイースターバニーとエルフ、そしてTooth Fairyに謝罪とお礼の手紙を書きます。そしてピーターにはコインチョコを分けてあげます。
そしてピンカリシャスもコインチョコを食べてみると・・・それはとっても甘かったのです!これからはずっと人にやさしくなろうと決めたピンカリシャスでした。
英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~
・sweet tooth (甘いもの好き、甘党)
・dreadful (おそろしい、実にひどい)
・spit out (吐き捨てる、口からぷっと吹き出す)
・sweet (やさしい、親切な)
お気に入り度:★★★★☆
アメリカに来て間もない頃にこの本を読んだときには、内容がほとんど理解できなくて面白さがまったくわかりませんでした。
今回、改めて読んでみると、バレンタインデー、イースター、クリスマスの行事が紹介されていることや、tooth(歯)とsweet tooth(甘党)、sweet tooth(甘党)とsweet(やさしい)の単語がうまくかけてあることなど、文化や言葉遊びも理解できて、自分の成長を感じました。
時間をおいて読み直してみることも大切ですね。
ピンカリシャスはピンクが大好きな女の子。シリーズとしてたくさんの本が出ています。
このブログでも、「Pink around the Rink (ピンカリシャス スケートに行く)」「Fairy House (ピンカリシャス 妖精のおうち)」「Pinkalicious and the Sick Day (ピンカリシャス 病気になる)」を紹介しています。
幼児~小学校低学年くらいの女の子のわがままさ、素直さがよく出ていて、娘も私も好きなシリーズです。
The Colors of Us -わたしたちのいろ-
作:Karen Katz。
あらすじ
レナは7歳の女の子。シナモン色の肌をしています。レナのママはアーティストで、フレンチトーストの色。
ある日ママから、「赤、黄、黒、白を正しく混ぜ合わせると自分の絵を描くのにちょうどいい茶色になる」と聞いたレナは、「ちょうどいい茶色ってどういうこと?茶色は茶色でしょう?」と疑問に思います。
そこでママは、レナにいろんな茶色を見せてあげることにしました。
散歩に出かけた二人は、いろんな友達に会います。ソニアの肌はピーナツバターのようなイエローブラウン。イサベラはチョコレートブラウン、ルーシーは桃のような褐色。ジョージンははちみつ色、ケイルは赤茶色。・・・
みんな違う色、みんなきれいな色。
レナは家に帰って、いろんな茶色でみんなの絵を描きました。
英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~
・eat up (食べつくす、舐めつくす)
・peachy (桃のような)
・butterscotch (黄褐色)
・tawny (黄褐色の)
お気に入り度:★★★☆☆
やや教育的な意図がありそうな本ですが、それぞれの色の説明が魅力的で楽しめました。
どの子もカラフルに、いきいきと描かれています。はちみつ色のジョージンはアジア人っぽいイラストです。
私が子供のころ、クレヨンや色鉛筆には「はだいろ」がありましたが、今ではその呼び方はしないようです。子供が保育園で買ったクレヨンには「ペールオレンジ」と書かれていました。
肌の色は人それぞれなのに「これが "ふつう" の肌の色でしょう」といわんばかりの色名は、たしかに不適切ですね。
アメリカではいろんな人種の人たちが暮らしており、子供のクラスメートにもいろんな色の肌の子がいます。娘は黒人の女の子のことを「肌が茶色い子」と言っていました。私たち大人は、黒人の肌の色を「黒」だと言ってしまいがちですが、これは「黒人」という呼び名から来る先入観で、娘の方が正しく物事を見ているな、と考えさせられた出来事でした。
The Best Nest -いちばんのおうち-
作:P. D. Eastman。
あらすじ
鳥のバードさんは歌が大好きで、おうちの巣箱も大好き。でも、バード夫人は巣箱に飽きて引越したいと思っています。そこで2羽は、新しい家を探しに行きます。
でも、よさそうな場所にはすでに別の動物が住んでいたり、くつや郵便ポストなど別の用途があるものだったり。
結局、バード夫妻は、教会の鐘の上に巣をつくることに決めました。
2羽は巣の材料となる藁やストロー、セーターの毛糸や馬の毛まで抜いてきて、頑張って素敵な巣を作りました。
バードさんが教会の屋根の上でご機嫌に歌っていると、人がやってきて12時の鐘を鳴らしました。鐘のすぐ上にいたバード夫人は、あわてて逃げて行きました。
巣に戻ったバードさんは、バード夫人をあちこち探して回ります。そして太った猫のそばに茶色の羽を見つけると、バード夫人が食べられちゃった、と泣きながらその場を離れます。
飛んでいるうちに雨が降ってきて、気づくとバードさんは引っ越し前に住んでいた巣箱まで来ていました。
雨宿りをしに中に入ると、なんとそこにはバード夫人が!
バード夫人は心変りして、元の家に戻ってきたのでした。たまごをあたためていたバード夫人、「母鳥にはこの家がいいわ」ですって。
英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~
特になし
お気に入り度:★★★☆☆
"I can read it all by myself"シリーズの絵本。「ひとりでよめるよ」シリーズという名の通り、単語も文法もとても簡単で読みやすいです。
同じシリーズには同じ作者の「Are You My Mother?」もあります。(この作者さん、鳥が好きですね・・・)
文章は簡単ですが、64ページと結構ボリュームがあります。
イラストが単調ではなく、いろんなシーンがいろんな角度から描かれているので、小さい子供でも飽きずに最後まで楽しめると思います。
Madeline's Rescue -マドレーヌといぬ-
作:Ludwig Bemelmans。
あらすじ
12人の女の子たちが暮らす小さなおうち(寄宿舎)。その中でも一番小さいのがマドレーヌ。あるひ、おてんばマドレーヌは散歩中に川に落ちてしまいます。助けてくれたのは犬でした。
女の子たちはその賢い犬をジュヌビエーブと名付けて飼うことにします。食べ物をあげ、一緒に散歩に出かけ、みんなでかわいがります。
しかし年に一度の監査の日、監査員はジュヌビエーブを追い出してしまいます。
クラベル先生と女の子たちは探しに行きますが見つかりません。
その晩、クラベル先生は寄宿舎の外でジュヌビエーブを発見します!大喜びの女の子たち。誰がジュヌビエーブと寝るか取り合いです。
様子を見に行ったクラベル先生、騒ぎを鎮めて子供たちを寝かせますが、夜中にまた起こされます。先生がまた見に行くと、なんと、ジュヌビエーブがたくさん子犬を産んでいたのでした。もう取り合いになりませんね。
英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~
・"Scat!" (犬や猫などに対して「シッ!」「あっちへ行け!」)
・It's no use ~ing (~しても無駄)
・riot (暴動、騒ぎ)
お気に入り度:★★★☆☆
単語の一つ一つは難しくないのですが、主語などが省略されていたり、語順がなじみのあるものではなかったり、意味的には不自然な位置で改行されていたりして、英語学習の初心者には難しい印象です。
なぜそのようになっているかというと、ほとんどすべてのページで韻を踏んでいるためです。たとえばこんな風に:
For on that day there arrived a collection
Of trustees for the annual inspection.
意味の区切りとしては、"collection of trustees"でひとまとまりだと思いますが、ofの前で改行されている、といった感じです。
韻の踏み方が見事なので、声に出して読むと楽しいです。
このマドレーヌシリーズは、日本語版もたくさん出版されています。この巧みな英語をどうやって日本語にしているのか、興味があります。
イラストは、基本的には黄色の背景にモノトーンで描かれています。女の子たちの簡略化された顔が味があってとてもかわいいです。
モノトーンのページの合間で、ところどころにフルカラーページが出現するのが目を引きます。
- 作者: ルドウィッヒ・ベーメルマンス,Ludwig Bemelmans,瀬田貞二
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1973/05/10
- メディア: ハードカバー
- 購入: 2人 クリック: 5回
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Owl Moon -月夜のみみずく-
作:Jane Yolen、イラスト:John Schoenherr。
あらすじ
ある冬の月夜、女の子はお父さんとフクロウを見に森に出かけます。
お父さんは歩くのが早く、女の子は走ってついていくのがやっと。でも決して大声で呼んではいけません。フクロウ観察は、静かにしていなければならないのです。
お父さんは立ち止まって「ホーホー」とフクロウを呼びますが、なかなかフクロウは現れません。
何度目かの後、フクロウの鳴き声が聞こえ、高いところからだんだん近づいてくると、影が頭上を通ります。
懐中電灯を向けると、フクロウがまさに枝にとまるところでした。
しばらくフクロウと見つめあった後、フクロウは飛び立ち、女の子たちも家へ帰ったのでした。
英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~
・go owling (フクロウの観察に行く)
・woolen (毛織りの)
・crunch (ざくざく踏む)
・call out (大声で叫ぶ)
・shrug (肩をすくめる)
・stain (焼きつける、色を付ける)
・clearing (森林の中の開拓地、空き地)
・hoot (フクロウがホーと鳴く)
お気に入り度:★★★☆☆
女の子が森でフクロウを見るだけの、地味なストーリーの絵本です。
これまでに読んだ英語絵本の中で一番地味かもしれません。
でも、描写がとにかく丁寧で、冬の夜の寒さ、雪の白さ、森の静けさ、フクロウを待つ間の緊張感、そうした情景がありありと伝わってきます。カルデコット賞受賞の理由がわかります。
イラストも美しく、どのページも額に入れて飾っておきたいくらいです。
日本語版(工藤直子訳)では、原題の「owl」は「みみずく」と訳されています。この本のイラストでは確かに耳っぽい羽が描かれているので、みみずくと訳すのが正解だとは思うのですが、個人的にはフクロウと言った方が趣があるなぁと思います。
ちなみに、フクロウとミミズクは生物学的には違いはなく、耳っぽい羽があるものを日本語ではミミズクと呼んでいるらしいですが、英語ではどちらもowlです。
いくつかの興味深い単語にも出会えました。
まずはowling。フクロウ観察のことですが、名詞のowl(フクロウ)にingをつけてフクロウ観察だなんて、とってもわかりやすいです。
ちなみに野鳥観察はbirdingだそうです。
go shoppingと同じように、「go + (名詞ing)」で「~しに行く」が表せると思うと、表現の幅が広がります。
つぎはstain。名詞で「染み、汚れ」を表すことは知っていましたが、動詞としての「染みを付ける、色を付ける」の意味は知りませんでした。
ステンドグラスはstained glassなのですね。なるほどー。
ちなみに、絵本では「The shadows stained the white snow.」という文で使われていました。雪に影が落ちることもstainで表現できるようです。
最後はhoot。英語では擬音語がそのまま動詞になっていることが多くて、小動物がキーキー鳴くのがsqueak、ヘビなどがシューというのがhiss、アヒルなどがガーガー鳴くのがsquawk、など、イメージしやすいです。
hootは「ホーホー鳴く」ですが、フクロウ以外にホーホー鳴く動物はあまりいないので、どうもフクロウ限定の単語みたいです。
- 作者: ジェインヨーレン,ジョンショーエンヘール,工藤直子
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1989/03
- メディア: 大型本
- 購入: 1人 クリック: 28回
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Olivia -オリビア-
作:Ian Falconer。
あらすじ
ブタのオリビアの日常を描いた絵本。
オリビアはみんなを疲れさせることばかりします。
ときには、全部の服を出して全部着てみたり・・・
お昼寝の時間になっても寝なかったり・・・
美術館で絵を見たあとで、家の壁に真似して書いてみたり・・・
寝る前には、たくさんの本を読んでほしいとお母さんに頼みます。
お母さんは少しだけ本を読んでくれ、オリビアの一日は終了です。
英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~
・wear people out (人を疲れさせる)
・firm (頑固な、きっぱりした)
・come prepared (用意していく)
・bask in the sun (ひなたぼっこする)
お気に入り度:★★☆☆☆
ストーリー性がなく、日常を淡々と描いた絵本なので、盛り上がりや起承転結はありません。
レビューサイトでは高評価ですが、個人的には特に惹かれる本ではありませんでした。オリビアのいかにも子供らしい行動が評価されているのか、かわいらしいイラストのおかげでしょうか。
イラストは白黒と赤だけでシンプルに表現されています。シンプルなだけに、鮮やかな赤がパッと目を引き、2色しか使っていないとは思えない深みがあります。
- 作者: イアンファルコナー,Ian Falconer,谷川俊太郎
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 2001/11
- メディア: 大型本
- 購入: 3人 クリック: 22回
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Help! -たすけて!-
作:Holley Keller。
あらすじ
ある日、ネズミはスカンクから「ともだちのヘビは実はネズミにとって危険な生き物だ」と聞き、こわくなります。そして、ヘビが来ないかきょろきょろしながら歩いているうちに、深い穴に落ちてしまい、けがをして出られなくなってしまいます。
ネズミと一緒にいたハリネズミは、通りすがりのリスやウサギに助けを求めますが、みんな助けることができません。
そこへ通りかかったのがヘビ。やさしいヘビは、ネズミを怖がらせないようにと、尻尾に結びつけた枝を穴の中に下ろします。
枝につかまって無事引き上げられたネズミは、自分を助けてくれたのはヘビだと知ります。
数日後、ネズミは花を摘んで、ヘビにお礼を言いに行ったのでした。
英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~
・"I insist." (「私に任せて」)
・get it into one's head (思いつく)
・hobble (よろよろ歩く)
・take a walk (散歩する)
お気に入り度:★★★★☆
ヘビが来た時のハリネズミとのやり取りが面白いです。
ハリネズミはヘビが来たことをネズミに悟られまいと、小声で「秘密ってわけじゃないんだけど・・・ただどうやってネズミくんを助けるかってことで、リスは一人で降りるのを怖がるし、ウサギは跳びあがれないし、ぼくはとげとげだし、・・・」。
一方、ヘビは「自分が助けるよ、問題ないよ」という感じでギャップがあります。
みんなから止められてもなお、姿が見えないやりかたでネズミを助けようとするヘビさん、素敵です。
クスッと笑えて、ほっこりするストーリーではありますが、考えさせられる内容でもあります。
仲良くしていた人の悪いうわさを聞いて、その人に対して不信感が芽生えるというのは人間の世界でもよくあること。自分がうわさされた側だったとしたら、何もしてないのにいきなり友達に距離を置かれたら、ヘビのようにスマートにふるまえるでしょうか。
イラストは版画で作られています。葉っぱの部分は本物の葉っぱの葉脈で作られているようです。そしてリスのしっぽは毛糸、ヘビのうろこは金網っぽいものを版にしているように見えます。
素材の違いをうまく生かして巧妙に描かれたイラストにはとても味わいがあってよいです。
Big Red Lollipop -ぺろぺろキャンディー-
作:Rukhsana Khan、イラスト:Sophie Blackall。
あらすじ
ルビーナは友達の誕生日会に誘われました。妹のサナがついて行きたがり、お母さんは妹を連れていかないなら行ってはダメといい、仕方なくルビーナは妹同伴で出かけます
幼いサナはパーティーゲームで負ければ泣き叫び、パーティーはめちゃくちゃです。誕生日会のお土産でもらったプチギフトも、サナはその日のうちにお菓子を全部食べ、おもちゃは壊したりなくしたり。
ルビーナが次の日に食べようと大事に取っておいたペロペロキャンディーも、サナがこっそり食べてしまい、わずかしか残っていませんでした。
怒って追いかけるルビーナに、お母さんが「たかがキャンディーくらい。分ければいいじゃない。」と言い、サナも「全部食べずに残しておいたでしょ!」と自慢げ。ルビーナは残りものなんか食べたくありません。結局サナが全部食べました。
でも、それよりも最悪だったのは、それ以来だれもルビーナを誕生日会に呼んでくれなくなったことでした。
月日がたち、サナが友達の誕生日会に招待されます。サナの妹のマリヤムも行きたがり、お母さんはサナに妹を連れていくように言います。
泣いて嫌がるサナを見てルビーナがとった行動は・・・お母さんに、サナを一人で行かせてあげるように頼むことでした。
パーティーの後、帰ってきたサナはもらってきた大きなペロペロキャンディーをルビーナにくれました。それからは、二人は仲良くなりました。
英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~
・call up (電話をかける)
・plead (嘆願する、弁解する)
・musical chairs (いす取りゲーム)
・shove (押しのける)
・scoot (かけだす、走り去る)
・"For shame!" (「ダメでしょ!」、「みっともない!」)
・skitter (速やかに進む、水面などをすれすれに進む)
・scurry (慌ててちょこちょこ走る、小走りに急ぐ)
お気に入り度:★★★★☆
作者のルクサナ・カーンは、3歳のときにパキスタンからカナダに移住してきて、実際に妹の立場としてこの本と同じ体験をしたそうです。お母さんには、カナダの誕生日会のイメージがわかず、妹を連れて行ってもよいものと考えたのでしょう。
ルビーナが不憫で泣けます。最後には仲直りできてよかったね、とは思いますが、もしルビーナがサナに助け船を出さなくて、サナも妹をつれて誕生日会に行っていたら、より深く反省できたのではないかな、とも思います。でもこの本では「仕返ししない」ことを伝えたいのでしょう。
母親のアミは、お姉ちゃんに厳しすぎる感じもしますが、成長したサナにも同じ姿勢を貫くところはきちんと筋が通っていて正しいやり方だと思いました。
ところで、英語版だとアミのことを母親だとは一言も書かれていません。単にAmiと出てくるだけです。ルビーナも「Ami!」と呼びかけています。お母さんを呼ぶときは一般的には「Mom!」だと思うので、はたして子供たちとの関係は・・・?住み込みの家政婦さんという可能性も捨てきれません。
日本語のレビューを見てみると、みなさん「お母さん」と書かれているので、おそらく日本語版では「おかあさん」と訳されているのでしょうけど。
雰囲気のあるイラストがとても素敵です。一家の(特にお母さんの)民族衣装や、誕生日会に来ている様々な人種の女の子たち。そしてルビーナがサナを追いかけるシーンでは、北米の家の雰囲気、広くて部屋と部屋の間にドアがないところ、がうまく描かれていてリアルです。
- 作者: ルクサナカーン,ソフィーブラッコール,Rukhsana Khan,Sophie Blackall,もりうちすみこ
- 出版社/メーカー: さえら書房
- 発売日: 2011/08
- メディア: 大型本
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Who said red? -赤っていった?-
作:Mary Serfozo、イラスト:Keiko Narahashi。
あらすじ
赤って言った?サンタ、ストップサイン、サクランボやベリーの赤。
それとも緑?ピクルスにカエル、葉っぱや豆の緑。
それとも青?空や青い目の青。
黄色、紫、茶色、それともピンク?オレンジ、黒、白かな?
-赤って言ったんだよ。
英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~
・mellow (豊かで美しい)
・slicker (長いレインコート)
お気に入り度:★★☆☆☆
小さい子向けの、色を紹介する絵本です。
男の子が赤い凧を飛ばしてなくしてしまって、それを探しているという設定になっているようですが、特にストーリー仕立てになってはいません。イラストを見ればなんとなくわかるという程度です。
子供の通う小学校では、ESL (English as a Second Language: 海外から移住してきた子に英語を教える補習クラス)の教室に置いてあるらしく、それなりに人気があるようです。
Daddy Hug -パパのだっこ-
作:Tim Warnes、イラスト:Jane Chapman。
あらすじ
いろんな動物のお父さんと子供たち。
とげとげのヤマアラシ、ふわふわのガチョウ、大きなアザラシ・・・
跳ねるヒツジに忙しい鳥、強いゴリラ・・・
ブンブン飛ぶハチ、お腹のすいたナマケモノ、キーキー鳴くカワウソ・・・
みんな、お父さんにだっこ。
英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~
・scruffy (薄汚い、みすぼらしい)
・jiggle (軽く揺れる)
・creaky (きしむ)
・scurry (ちょこちょこ走る)
・bumble (ぶんぶんいう)
お気に入り度:★★★☆☆
特にストーリー性はなく、絵を楽しむ小さい子向けの絵本です。
動物たちの表情がどれも笑っているように見えて、リアルなのにかわいらしいです。
乳幼児向けの絵本ね、と甘く見ていたら、知らない形容詞がたくさん出てきて意外と侮れませんでした。ストーリーのない本は、文脈から意味を推測できないので、イラストから推測するしかありません。でもこうして覚えた単語は忘れにくいと思います。