アメリカえほん記

アメリカで読んだ英語絵本の記録です。

Owl Moon -月夜のみみずく-

作:Jane Yolen、イラスト:John Schoenherr。

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あらすじ

ある冬の月夜、女の子はお父さんとフクロウを見に森に出かけます。

お父さんは歩くのが早く、女の子は走ってついていくのがやっと。でも決して大声で呼んではいけません。フクロウ観察は、静かにしていなければならないのです。

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お父さんは立ち止まって「ホーホー」とフクロウを呼びますが、なかなかフクロウは現れません。

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何度目かの後、フクロウの鳴き声が聞こえ、高いところからだんだん近づいてくると、影が頭上を通ります。

懐中電灯を向けると、フクロウがまさに枝にとまるところでした。

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しばらくフクロウと見つめあった後、フクロウは飛び立ち、女の子たちも家へ帰ったのでした。

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英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~

・go owling (フクロウの観察に行く)

・woolen (毛織りの)

crunch (ざくざく踏む)

・call out (大声で叫ぶ)

・shrug (肩をすくめる)

・stain (焼きつける、色を付ける)

・clearing (森林の中の開拓地、空き地)

・hoot (フクロウがホーと鳴く)

 

お気に入り度:

女の子が森でフクロウを見るだけの、地味なストーリーの絵本です。

これまでに読んだ英語絵本の中で一番地味かもしれません。

 

でも、描写がとにかく丁寧で、冬の夜の寒さ、雪の白さ、森の静けさ、フクロウを待つ間の緊張感、そうした情景がありありと伝わってきます。カルデコット賞受賞の理由がわかります。

イラストも美しく、どのページも額に入れて飾っておきたいくらいです。

 

日本語版(工藤直子訳)では、原題の「owl」は「みみずく」と訳されています。この本のイラストでは確かに耳っぽい羽が描かれているので、みみずくと訳すのが正解だとは思うのですが、個人的にはフクロウと言った方が趣があるなぁと思います。

ちなみに、フクロウとミミズクは生物学的には違いはなく、耳っぽい羽があるものを日本語ではミミズクと呼んでいるらしいですが、英語ではどちらもowlです。

 

いくつかの興味深い単語にも出会えました。

 

まずはowling。フクロウ観察のことですが、名詞のowl(フクロウ)にingをつけてフクロウ観察だなんて、とってもわかりやすいです。

ちなみに野鳥観察はbirdingだそうです。

go shoppingと同じように、「go + (名詞ing)」で「~しに行く」が表せると思うと、表現の幅が広がります。

 

つぎはstain。名詞で「染み、汚れ」を表すことは知っていましたが、動詞としての「染みを付ける、色を付ける」の意味は知りませんでした。

ステンドグラスはstained glassなのですね。なるほどー。

ちなみに、絵本では「The shadows stained the white snow.」という文で使われていました。雪に影が落ちることもstainで表現できるようです。

 

最後はhoot。英語では擬音語がそのまま動詞になっていることが多くて、小動物がキーキー鳴くのがsqueak、ヘビなどがシューというのがhiss、アヒルなどがガーガー鳴くのがsquawk、など、イメージしやすいです。

hootは「ホーホー鳴く」ですが、フクロウ以外にホーホー鳴く動物はあまりいないので、どうもフクロウ限定の単語みたいです。

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月夜のみみずく

月夜のみみずく