Madeline's Rescue -マドレーヌといぬ-
作:Ludwig Bemelmans。
あらすじ
12人の女の子たちが暮らす小さなおうち(寄宿舎)。その中でも一番小さいのがマドレーヌ。あるひ、おてんばマドレーヌは散歩中に川に落ちてしまいます。助けてくれたのは犬でした。
女の子たちはその賢い犬をジュヌビエーブと名付けて飼うことにします。食べ物をあげ、一緒に散歩に出かけ、みんなでかわいがります。
しかし年に一度の監査の日、監査員はジュヌビエーブを追い出してしまいます。
クラベル先生と女の子たちは探しに行きますが見つかりません。
その晩、クラベル先生は寄宿舎の外でジュヌビエーブを発見します!大喜びの女の子たち。誰がジュヌビエーブと寝るか取り合いです。
様子を見に行ったクラベル先生、騒ぎを鎮めて子供たちを寝かせますが、夜中にまた起こされます。先生がまた見に行くと、なんと、ジュヌビエーブがたくさん子犬を産んでいたのでした。もう取り合いになりませんね。
英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~
・"Scat!" (犬や猫などに対して「シッ!」「あっちへ行け!」)
・It's no use ~ing (~しても無駄)
・riot (暴動、騒ぎ)
お気に入り度:★★★☆☆
単語の一つ一つは難しくないのですが、主語などが省略されていたり、語順がなじみのあるものではなかったり、意味的には不自然な位置で改行されていたりして、英語学習の初心者には難しい印象です。
なぜそのようになっているかというと、ほとんどすべてのページで韻を踏んでいるためです。たとえばこんな風に:
For on that day there arrived a collection
Of trustees for the annual inspection.
意味の区切りとしては、"collection of trustees"でひとまとまりだと思いますが、ofの前で改行されている、といった感じです。
韻の踏み方が見事なので、声に出して読むと楽しいです。
このマドレーヌシリーズは、日本語版もたくさん出版されています。この巧みな英語をどうやって日本語にしているのか、興味があります。
イラストは、基本的には黄色の背景にモノトーンで描かれています。女の子たちの簡略化された顔が味があってとてもかわいいです。
モノトーンのページの合間で、ところどころにフルカラーページが出現するのが目を引きます。
- 作者: ルドウィッヒ・ベーメルマンス,Ludwig Bemelmans,瀬田貞二
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1973/05/10
- メディア: ハードカバー
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