アメリカえほん記

アメリカで読んだ英語絵本の記録です。

Help! -たすけて!-

作:Holley Keller。

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あらすじ

 ある日、ネズミはスカンクから「ともだちのヘビは実はネズミにとって危険な生き物だ」と聞き、こわくなります。そして、ヘビが来ないかきょろきょろしながら歩いているうちに、深い穴に落ちてしまい、けがをして出られなくなってしまいます。

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ネズミと一緒にいたハリネズミは、通りすがりのリスやウサギに助けを求めますが、みんな助けることができません。

そこへ通りかかったのがヘビ。やさしいヘビは、ネズミを怖がらせないようにと、尻尾に結びつけた枝を穴の中に下ろします。

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枝につかまって無事引き上げられたネズミは、自分を助けてくれたのはヘビだと知ります。

 

数日後、ネズミは花を摘んで、ヘビにお礼を言いに行ったのでした。

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英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~

・"I insist." (「私に任せて」)

・get it into one's head (思いつく)

・hobble (よろよろ歩く)

・take a walk (散歩する)

 

お気に入り度:★★★★

 ヘビが来た時のハリネズミとのやり取りが面白いです。

ハリネズミはヘビが来たことをネズミに悟られまいと、小声で「秘密ってわけじゃないんだけど・・・ただどうやってネズミくんを助けるかってことで、リスは一人で降りるのを怖がるし、ウサギは跳びあがれないし、ぼくはとげとげだし、・・・」。

一方、ヘビは「自分が助けるよ、問題ないよ」という感じでギャップがあります。

みんなから止められてもなお、姿が見えないやりかたでネズミを助けようとするヘビさん、素敵です。

 

クスッと笑えて、ほっこりするストーリーではありますが、考えさせられる内容でもあります。

仲良くしていた人の悪いうわさを聞いて、その人に対して不信感が芽生えるというのは人間の世界でもよくあること。自分がうわさされた側だったとしたら、何もしてないのにいきなり友達に距離を置かれたら、ヘビのようにスマートにふるまえるでしょうか。

 

イラストは版画で作られています。葉っぱの部分は本物の葉っぱの葉脈で作られているようです。そしてリスのしっぽは毛糸、ヘビのうろこは金網っぽいものを版にしているように見えます。

素材の違いをうまく生かして巧妙に描かれたイラストにはとても味わいがあってよいです。

 

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たすけて!

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