アメリカえほん記

アメリカで読んだ英語絵本の記録です。

A Sick Day for Amos McGee -エイモスさんがかぜをひくと-

作:Philip C. Stead、イラスト:Erin E. Stead。

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あらすじ

エイモスさんは、バスに乗って動物園に仕事に行き、仕事の合間にいろんな動物たちを訪ねます。

ゾウとチェスをしたり、カメと競走したり、恥ずかしがり屋のペンギンのそばにそっと座ったり、鼻たれのサイにハンカチを貸してやったり。夜になると、暗いのを怖がるフクロウに本を読んでやります。

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ある日、エイモスさんは鼻水やくしゃみが出て悪寒がし、仕事に行けませんでした。

動物たちはエイモスさんが心配でたまりません。

ついに、動物園を抜け出します。

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バス停でバスを待ち、エイモスさんがいつも乗る5番バスに乗って、エイモスさんの家へ!

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エイモスさんはベッドでゾウとチェスをし、カメとは競走の代わりにかくれんぼをし、ペンギンはエイモスさんの足元にそっと座ります。サイはエイモスさんにハンカチを渡します。

夜になると、フクロウは暗いのを怖がるエイモスさんに本を読みました。

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英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~

・early riser (早起きの人)

・clang ((鐘などが)鳴る) 

・amble (ゆっくり歩く)

・make time (時間を割く)

・have a runny nose (鼻水をたらす)

・pawn (チェスの歩)

・limber up (肩慣らしをする、準備運動をする)

・perch ((鳥が)とまる、腰かける)

・with concern (心配して)

 

お気に入り度:★★

表紙に貼られた「BEST」シールに惹かれて読んでみました。

New York Timesの「Best Illustrated Children's Book Awards」を2010年に受賞しているようです。)

 

読む前は、表紙を見て絵が素敵だなと思いました。おじいさん(エイモスさん)のくたびれ具合がいい感じで、ゾウやペンギンがとても優しい表情で、きっと穏やかな本なんだろうなぁと思って読み始めました。

 

物語前半は、表紙から予想したとおりの穏やかでちょっと退屈なストーリー。絵がきれいなので絵を楽しむ本だなと思っていたのですが・・・

 

動物たちが動物園を抜け出すところから雰囲気が一変します。バスを待つ動物たち。バスに乗る動物たち。こんな突飛な展開をいきいきと描く文字のない見開き数ページには、思わず「えー!!」と言ってしまうくらい引き込まれました。

 

これも、版画で作られた絵の素晴らしさあってのもの。全体的に渋めな色合いなのに、ペンギンがエイモスさんのお見舞いに持って行く風船だけやけに鮮やかな赤だったりと、様々な工夫が散りばめられています。

文章では、動物たちの詳しい描写はないのですが、イラストを見るとどの動物も年を取っていることがわかります。表情だけでなく、色合いが渋いところや、靴下やマフラーを身につけているところなど設定が細かいです。

みんながエイモスさんの家で集合しているのは、お年寄りの会合!という感じで、ほっこりします。

 

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エイモスさんがかぜをひくと

エイモスさんがかぜをひくと