I WANT MY HAT BACK -どこいったん-
作:Jon Klassen。
あらすじ
日本でもおなじみの絵本「どこいったん」(訳:長谷川義史) の原作。
帽子をなくしたクマは、いろんな動物に「ぼくのぼうし どこいったん?(Have you seen my hat?)」と聞いて回りますが、誰も知らないようです。(が、嘘をついている動物がいます!)
悲しみにくれるクマですが、シカに「どんなぼうし?」と聞かれて説明しているうちに、ハッと思いだします。
「あっ、さっき!(I HAVE SEEN MY HAT!)」
そして、クマは無事にウサギからぼうしを取り戻すのですが・・・
英語学習者の視点から ~覚えた単語や言い回し~
・"Thank you anyway" (「とにかくありがとう」;頼んだことが叶えられなかったときのお礼)
・What if...? (~したらどうなるだろう、~したらどうしよう)
・pointy (とがっている)
お気に入り度:★★★★★
無表情な動物たちのイラストが最高にシュールで面白いです。
単語や文法は簡単ながら、「I want my hat back (直訳:私は帽子に戻ってきてほしい)」なんて言い回しは、英語ならではと思います。I want you backなら言えそうですが、wantのあとに無生物名詞を持ってくる発想はあまりありませんでした。
日本語版の関西弁が秀逸なので、日英をあわせて読むのがおすすめです。
結末は、英語の方が日本語版よりも直接的で、かなりブラックです。こどもにショックを与えないように、訳者の長谷川さんの配慮でしょうか。
日本語:うさぎなんか しらんで。うさぎなんか さわったこともないで。
英語: I haven't seen any rabbits anywhere. I would not eat a rabbit.
ちなみに、「ブラックジョーク」のことは英語で「Dark Humor」と言うそうです。
(2016.5.26追記)
長谷川さんのインタビューで、この本の翻訳について触れられていました。シリーズの「ちがうねん(This is not my hat)」のことも書かれています。