This Is Not My Hat -ちがうねん-
作:Jon Klassen。
あらすじ
帽子をかぶった小さな魚。でも、この帽子は実は盗んできたものなのです。
持ち主の大きな魚が眠っていたすきに盗ってきたので、きっと気づいてないだろう。
もし気づいたとしても、誰が盗ったかわからないだろうし、もしばれたとしても海藻のジャングルに逃げ込むから大丈夫。カニに見つかったけど、告げ口なんてしないだろう。
もちろん、盗むのがいけないことはわかっている。でも、この帽子はあの魚には小さすぎたし。海藻のジャングルに到着。逃げ切れた。逃げ切れた・・・
英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~
特になし
お気に入り度:★★★☆☆
「I want my hat back (どこいったん)」の姉妹本といえる、Jon Klassenの帽子シリーズ。
日本でも、「どこいったん」の訳者と同じ長谷川義史さんが翻訳され、「ちがうねん」のタイトルで出版されています。
この本、英語で読むと「帽子を盗んだ、ばれた、捕まった(たぶん食べられた)」という事実が淡々と伝わってきて、ユーモアよりも怖さの方が大きいのですが、日本語版ではいたずらがばれた子供の言い訳を聞いているような滑稽さが前面に出ていて面白いです。
たとえば、
英語: I stole it from a big fish (大きな魚から盗んだ)
日本語: おっきな さかなから とってきてん
を見ても、日本語版は「ちょっと取っただけですよー」とでも言いたげなニュアンスもあり、悪いとわかっているけどごまかしたい気持ちが絶妙に表れていると思います。
英語が原作の本だと、通常は英語の方が細かなニュアンスが伝わってくるのですが、この本に関しては翻訳者の勝利って感じです。
以下、長谷川さんのインタビュー。