アメリカえほん記

アメリカで読んだ英語絵本の記録です。

I WANT MY HAT BACK -どこいったん-

作:Jon Klassen。

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あらすじ

日本でもおなじみの絵本「どこいったん」(訳:長谷川義史) の原作。

帽子をなくしたクマは、いろんな動物に「ぼくのぼうし どこいったん?(Have you seen my hat?)」と聞いて回りますが、誰も知らないようです。(が、嘘をついている動物がいます!)

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悲しみにくれるクマですが、シカに「どんなぼうし?」と聞かれて説明しているうちに、ハッと思いだします。

「あっ、さっき!(I HAVE SEEN MY HAT!)」

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そして、クマは無事にウサギからぼうしを取り戻すのですが・・・

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英語学習者の視点から ~覚えた単語や言い回し~

・"Thank you anyway" (「とにかくありがとう」;頼んだことが叶えられなかったときのお礼)

・What if...? (~したらどうなるだろう、~したらどうしよう)

・pointy (とがっている)

 

お気に入り度:

無表情な動物たちのイラストが最高にシュールで面白いです。

単語や文法は簡単ながら、「I want my hat back (直訳:私は帽子に戻ってきてほしい)」なんて言い回しは、英語ならではと思います。I want you backなら言えそうですが、wantのあとに無生物名詞を持ってくる発想はあまりありませんでした。

日本語版の関西弁が秀逸なので、日英をあわせて読むのがおすすめです。

結末は、英語の方が日本語版よりも直接的で、かなりブラックです。こどもにショックを与えないように、訳者の長谷川さんの配慮でしょうか。

 

日本語:うさぎなんか しらんで。うさぎなんか さわったこともないで。

英語: I haven't seen any rabbits anywhere. I would not eat a rabbit.

 

 ちなみに、「ブラックジョーク」のことは英語で「Dark Humor」と言うそうです。

 

(2016.5.26追記)

長谷川さんのインタビューで、この本の翻訳について触れられていました。シリーズの「ちがうねん(This is not my hat)」のことも書かれています。

www.ehonnavi.net

 

 

 

 

どこいったん

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