アメリカえほん記

アメリカで読んだ英語絵本の記録です。

Peter's Chair -ピーターのいす-

作:Ezra Jack Keats。

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あらすじ

 ピーターの家に赤ちゃんが生まれ、ピーターが使っていたものは次々とピンクに塗り変えられて、妹のスージーのものになってしまいます。

ピーターは、まだ塗り替えられていない青い子供用のいすと、おもちゃ、赤ちゃんの頃の写真を持って、イヌのウィリーと一緒に家出を決意。家の外に落ち着きます。

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でも、子供用のいすはすでに自分には小さくなっていることを理解したピーター。

 スージーのために、そのいすもピンクに塗ることを自分から提案し、お父さんと一緒に塗りました。

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英語学習者の視点から ~覚えた単語や言い回し~

・stretch (手足を伸ばす、背伸びをする)

・fuss around (そわそわして歩きまわる)

・cradle (ゆりかご、赤ちゃん用のベッド)

・crib (ベビーベッド)

・mutter (ぶつぶつ不平を言う)

・make believe (~と見せかける、ふりをする)

・rascal (いたずらっ子、わんぱく小僧)

 

お気に入り度:

 赤ちゃんに何もかも取られてしまうという不安な気持ちや、自分が大きくなったことを理解してお兄ちゃんの自覚に目覚める様子が、生き生きと描かれています。

いすが小さくなっていることを表す表現が、"he couldn't fit in the chair." 簡単な文ですが、ここで「fit」を使うのが英語表現だなと思いました。日本語から考えると、小さすぎて「座れない」なのでまず「sit」が思い浮かびますが、couldn't sitだと意味が変わってしまいます。(ちなみに日本語版では「おしりがいすにはいらない」と訳されていました。この日本語をもとにすれば、確かにfitが思い浮かびます。)

日本語版の「ピーターといす」も有名ですが、ほぼ原作のイメージそのままで素敵な訳だと思います。

と思ったら、The Happy Day (はなをくんくん) の訳者と同じ、木島始さんでした。この方の翻訳は、原作に忠実なのに「いかにも直訳」な感じがなく、とても生き生きとしていて素晴らしいです。

ピーターのいす (キーツの絵本)

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