A Bargain for Frances -フランシスのおかいもの-
作:Russell Hoban、イラスト:Lillian Hoban。
あらすじ
ある夏の日、フランシスは、お友達のテルマの家に遊びに行きます。
テルマはいつもうまく立ち回り、そのせいでフランシスばかりケガをしたり池でびしょぬれになったりと損な役回りになるので、お母さんは「気をつけてね」と送り出します。
ティーパーティー(おままごと)で遊ぶ二人。フランシスは、青い絵のついた陶器のティーセットが欲しくてお小遣いを2ドル17セントためていることをテルマに話します。
テルマは、言葉巧みにフランシスを誘導し、自分の赤い絵のプラスチックのティーセットをフランシスに売りつけることに成功します。「あとで"やっぱりやめた"はナシ」の約束で。
家に帰ったフランシスは、妹のグロリアから、もっと安い値段で青い陶器のものが買えたのに、と知らされます。さらに、テルマはそのことを知っているはず、とも。
フランシスがティーセットを売っているお店に確認しに行くと、そこではテルマが青い陶器のティーセットを買っているところでした。フランシスから受け取ったお金で・・・。
フランシスはどうすればよいか考えます。
そして、テルマに電話して、「本当に"やっぱりやめた"はナシでいいのね?ティーセットの砂糖入れに入っていたものも、もらっていいのね?」と言います。
不安になるテルマ。「指輪だったかしら?・・・誕生日にもらった5ドルだったかも?」
そして、ついにテルマの方から「やっぱり返してほしい」と言ってきます。でもすでにお金を使ってしまったテルマは、新しく買った青い陶器のティーセットと引き換えに、赤いプラスチックのティーセットを取り戻します。
さて、砂糖入れに入っていたのは、フランシスが入れておいたた1セント硬貨だけ!だましたわね、と怒るテルマに、あなたが最初にだましたんでしょ、と応酬するフランシス。
これからはずっと、あなたと遊ぶときには用心しないといけない。それじゃ楽しくないから、用心しなくてよい友達でいよう、と話しあいます。
英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~
・lump (こぶ、腫れもの)
・get the worst of it (負ける)
・frosting (ケーキにかける砂糖衣)
・save up (お金をためる、貯金する)
・allowance (お小遣い)
・no backsies (待ったなし;あとで「やっぱりやめた」というのはダメ、という意味)
・hung up (電話を切る)
・play a trick on ~ (~をだます)
お気に入り度:★★★★☆
60ページを超える長さで、もはや「絵本」ではなく「本」かもしれません。
イラストはかわいいですが、フランシスとテルマの区別がつきません(笑)。絵を楽しむ本というよりはストーリーを楽しむ本です。
テルマのだまし方もフランシスの仕返しも結構巧みで、それなりの理解力を要するので、小学校2~3年生くらいが対象かと思います。(友達をだますという内容自体、幼児向けではない)
テルマは最初からずっと嫌な子として描かれていますが、フランシスの揺さぶりに動揺してあっさり降参するあたり、まだまだ子供だなーと許せます。というか、フランシス、頭を使って仕返しできる賢さがあるのに、なぜあっさり騙されるんだろう・・・!?
日本でよく知られている「おやすみなさい フランシス」のシリーズ本ですが、この「A Bargain for Frances」は日本では出版されていないようです。騙し騙されという内容が日本向きではないのかもしれませんね。
この本の中で私の気に入った文章は、騙されたテルマがフランシスに言ったセリフ:
"That is not a very nice trick to play on a friend."
訳すのが難しそうですが、「友達をだますなんてひどいじゃない」といった意図かと思います。「こんなことするなんて、趣味のいいいたずらとは言えないわね」のように皮肉っぽく訳すのが正解でしょうか。面白い言い回しだと思います。
A Bargain for Frances (I Can Read Level 2)
- 作者: Russell Hoban,Lillian Hoban
- 出版社/メーカー: HarperCollins
- 発売日: 2003/02/18
- メディア: ペーパーバック
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