アメリカえほん記

アメリカで読んだ英語絵本の記録です。

Hachiko -忠犬ハチ公-

作:Pamela S. Turner、イラスト:Yan Nascimbene。

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あらすじ

ケンタロウは6歳のときに東京に移り住み、お父さんが仕事から帰ってくるのを迎えにお母さんと渋谷駅に行きます。そこで彼は1匹の犬を見かけます。お父さんの同僚Dr.上野の犬、ハチ公が、ご主人の帰りをじっと待っているのでした。ケンタロウは犬の顔をオオカミのようだと思い、お母さんの後ろに隠れました。

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ハチ公は毎朝ご主人を駅で見送り、ご主人が帰る時間には駅でじっと待ちます。ケンタロウも毎日駅に行き、ハチ公に会うのが日課になりました。

ある日、お父さんが一人で肩を落として駅から出てきます。その日の朝、Dr.上野が職場で亡くなったのでした。

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次の日、ハチ公は数マイル離れた場所に住むDr.ウエノの親戚に引き取られたとのことでした。しかし数日後には自分で戻ってきて、また渋谷駅でご主人を待つのでした。

多くの人がハチ公に興味を持ち、餌をやります。そんなある日、ケンタロウは、Dr.上野の庭師の小林さんに会いました。小林さんはハチ公と一緒にDr.上野の家に住み続けているのでした。

何年もたちハチ公も年を取ってくると、人々はハチ公の像を建てるためにお金を集め始めました。そしてある寒い晩に、ハチ公は渋谷駅で亡くなります。皆はハチ公がいた場所に花を手向けました。

 

今ではハチ公の像は有名な待ち合わせスポットになっています。人々は、久しぶりに会う家族や友人とそこで再会するのです。

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英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~

・furious (荒れ狂う、猛烈な)

grime (よごれ、ほこり)

・bushy (ふさふさした、毛むくじゃらの)

・stray (野良イヌ/ネコ、浮浪者)

・quiver (震える)

・timidly (おどおどして)

・just in case (もしものとき、念のため)

・morsel (ひとくち、一片)

・nudge (そっと突く)

・hunch over (背中を丸めて肩を落とす)

・chipped (ふちの欠けた)

・take an interest (心惹かれる、気乗りする)

・streak (すじをつける:his hair was streaked with gray = 彼は白髪まじりだった)

・stumble (よろよろと歩く)

・choke (むせる、(感情で)息が詰まる)

 

お気に入り度:

舞台は日本ですが、日本で出版された絵本を翻訳したものではありません。幼少期を日本で過ごしたアメリカ人の作者によるオリジナル絵本です。

絵本というには文章量が多く、読み応えがあります。

ストーリー自体はよく知られたもので、特に目新しさはありませんが、淡々とした文体からハチ公のけなげな様子や、上野さんやハチ公が亡くなったときの主人公の心情が伝わってきて、心が洗われます。

上質な紙が使ってあり、絵本としてはやや高めの15ドルという値段からも、大人向けの絵本だとわかります。

 

Hachiko: The True Story of a Loyal Dog

Hachiko: The True Story of a Loyal Dog