アメリカえほん記

アメリカで読んだ英語絵本の記録です。

the HOLE in the middle -おなかのあな-

作:Paul Budnitz、イラスト:aya Kakeda。

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あらすじ

モーガンには、生まれつきお腹に大きな穴がありました。そのためモーガンはいつもお腹がすいているように感じるのです。

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仲良しの女の子ユミはモーガンを助けるため、イチゴケーキを作ってくれたり、気がまぎれるようにと一緒に歌ったり踊ったり、外で遊んだりしますが、どうしても満たされません。

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ある日、ユミが病気になり、一緒に遊べなくなりました。モーガンはますます空っぽの気持ちになりました。そして、ユミが早くよくなるようにと、イチゴケーキを作り、毎日ユミを訪ねてはユミを励まします。

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しばらく経ってユミが元気になる頃には、モーガンはお腹の穴のことをすっかり忘れていて、穴はおへそほどの大きさになっていました。そしてモーガンはもう満ち足りない気持ちになることはありませんでした。

 

英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~

特になし

 

お気に入り度:

イラストはかわいらしくて、「お腹に穴があいている」という突飛な設定も小さい子向けのように思えますが、満たされない気持ちを埋めるために人のために尽くす、というストリーはむしろ大人向けかもしれません。

絵本の紹介文に、「... how he became a good friend and made himself whole again.」と書かれていて、タイトルの"hole"とかけているのかなぁと思いました。タイトルを見ただけでこうしたhomephone (同音異義語)を連想できれば、もっと絵本が楽しめるのでしょう。

 

本文中に難しい単語は使われていませんが、使役表現がたくさん使われていて読み応えがあります。英語ネイティブの人にとって、使役は便利な表現なのだろうと思います。

・Having a hole in his middle gave Morgan a strange, empty feeling. (お腹に穴があることで、モーガンは奇妙な、満ち足りない気持ちを感じました。)

・Music will make you feel better. (音楽で気分がよくなるでしょう。)

・Morgan reminded himself to forget. (モーガンは忘れようとしました。)

・Morgan let Yumi have as much strawberry cake as she wanted. (モーガンはユミが欲しがるだけのイチゴケーキをあげました。)

 

もうひとつ、気になった表現として、"The hole had grown so small"という文章がありました。growは「成長する、大きくなる」のイメージなので、小さくなるときにも使っていいんだと目から鱗です。

 

イラストレーターさんは日本人の方で、登場人物の「ユミ」も日本人の名前なので、親近感のわく絵本です。

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