アメリカえほん記

アメリカで読んだ英語絵本の記録です。

Sylvester and the Magic Pebble -ロバのシルベスターとまほうの小石-

作:William Steig。

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あらすじ

 石集めが大好きなロバのシルベスターは、ある日赤くて丸い魔法の石を見つけます。その小石を手にとって願いごとをすると、たちまち叶うのです。

魔法の小石を持って家に帰る途中、シルベスターはライオンに遭遇し、パニックのあまり「岩になりたい」と言ってしまいます。岩になったシルベスター、もう魔法の小石を手に取ることができません。

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お父さんとお母さんは、戻ってこないシルベスターを心配して、あちこち探して回りますが、秋になり、冬になり、春が来てもシルベスターは見つかりません。

現実を受け入れて元気を出そうと、お父さんはお母さんをピクニックに誘います。そこは、シルベスターが岩になった場所でした。魔法の小石を見つけたお父さんは、岩(シルベスター)の上に置きます。そしてシルベスターが強く「元に戻りたい」と願うと、シルベスターはたちまち元の姿に戻りました。

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3人は大喜びして、家に帰りました。

 

英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~

・pebble (小石)

・flaming (燃えるような)

・to one's surprise (意外にも、驚いたことには)

・gratify (満足させる、満たす)

・be at work (作用して、影響が働いて)

・hoof (馬のひづめ)

・wart (いぼ、こぶ)

・hind (後ろの)

・fetlock (馬のけづめ)

・be startled (驚く、とびあがる)

・mean (下品な、卑劣な)

・be perplexed (当惑する)

・be bewildered (当惑する)

・race (駆け巡る、空回りする)

・what on earth (一体全体、まったくどうして)

・frantic (気が狂ったような)

・turn up (ひょっこり現れる)

・go about (歩きまわる、出歩く)

・colt (子馬)

・get used to (慣れる、なじむ)

・this way and that (あの手この手で、あちらこちら)

・dumb (口のきけない)

・If only (ただ~だけだとしても)

・as if to say (~と言わんばかりに)

 

お気に入り度:

 文章が長く、読み応えがあります。文法も、仮定法がふんだんに使われていてむずかしめですが、could have(~すればよかった)などの言い回しにたくさん触れることができます。

 日本でも有名な絵本ですが、ストーリーは現実離れしているので「魔法」を受け入れられるかどうか、好みが分かれるところでしょうか。

いなくなった子供を、何カ月も、何度も("over and over again")探し続ける両親の描写には、胸が打たれるものがあります。シルベスタが岩になっている間は岩のイラストが数ページ続いて結構地味ですが、元に戻れない葛藤や絶望感が文章で詳細に書かれていて、イラストの変わりばえのなさと相まって状況がリアルに伝わってきます。

 

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ロバのシルベスターとまほうの小石 (児童図書館・絵本の部屋)

ロバのシルベスターとまほうの小石 (児童図書館・絵本の部屋)