アメリカえほん記

アメリカで読んだ英語絵本の記録です。

A Fine, Fine School -みんなのすきな学校-

作:Sharon Creech、イラスト:Harry Bliss。

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あらすじ

学校が大好きなキーン校長。素晴らしい生徒たちに素晴らしい先生たち。なんていい学校なんだろう!

そこで、キーン校長は土曜日も登校日にすることに決めました。それから、日曜日も、祝日も、夏の間もずっと・・・。

キーン先生は、生徒がどんなにたくさん学べただろうと満足げ。でも、先生も生徒も休みたいのです。が、校長先生には言えません。どんどん暗い表情になっていく生徒たち。

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夏休みが始まるはずの日、登校したティリーは校長先生の部屋に行きます。学校の素晴らしさを語る校長先生に、ティリーは言います。

「みんなが学べているわけじゃない。(私が学校に行くと)私の犬のビーンズはお座りやジャンプを覚えられないし、私の弟はブランコやスキップを覚えられません。私も、木登りのしかたを覚えたり木にずっと座って過ごすことができません。」

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その日、キーン校長は学校内を歩いて生徒や先生たちの様子を見てみます。

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次の日、全員を集めた校長先生。さらに学校を多くするのかと心配する子供たち。

でも、違いました。

「土日や祝日、夏の間は休みにします!」

 

英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~

・fort (とりで、城塞)

・soar up (急に上がる)

 

お気に入り度:

だんだん不満顔になっていく子供たち。イラストからその心情が伝わってきて、ニコニコ顔の校長先生との対比がおもしろいです。

 

イラストには小ネタがたくさんあって、なぜか2足歩行の飼い犬ビーンズは、コーヒーを飲んだり眼鏡をかけて新聞を読んでいたりするし、教室に貼られた掲示や本のタイトルなど細かな部分にクスッと笑えることが書いてあって、すみずみまで見るととても楽しいです。

 日本でも、「みんなのすきな学校」のタイトルで翻訳版が出版されているようですが、イラストに書かれた手書きの英語も日本語に訳されているのかな?とちょっと気になります。

 

そして、この絵本、アメリカの小学校生活がすごくリアルに伝わってくるのにも注目です。

第一に、表紙の裏側がComposition bookの模様になっています!Composition bookは、アメリカでものすごくポピュラーなノートで(日本でいうキャンパスノートみたいな・・・?)、表紙は白黒のまだら模様。小学生はみんな使っています。

第二に、スクールバス。私は乗ったことありませんが、わが子から聞いた情報(3人掛けシートで、子供たちはおもちゃとかで遊んでいるらしい)とぴったり合ってます。

最後に、学校。レンガ造りの建物、バックパックを背負ったいろんな人種の子供たち、雑然とした教室。自由な様子がよく伝わってきます。

調べたところ、イラストレーターさんの出身地が、私が今住んでいる場所だったので、だから特にこのあたりの小学校と雰囲気が似ているのかもしれません。

 

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みんなのすきな学校 (講談社の翻訳絵本)

みんなのすきな学校 (講談社の翻訳絵本)