アメリカえほん記

アメリカで読んだ英語絵本の記録です。

Seven Blind Mice -7ひきのもうもくねずみ-

作:Ed Young。

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あらすじ

7匹の盲目ネズミたちが、池のそばで得体のしれない「何か」に遭遇して、びっくりして家に逃げ帰ります。

月曜日、赤ネズミがまず正体を探りに出かけます。

「柱だったよ」といいますが、誰も信じません。

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火曜日、2番目の緑ネズミが出かけます。

「蛇だよ」

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水曜日、3番目の黄ネズミは「槍だよ」

木曜日、4番目の紫ネズミは「大きな崖だよ」

金曜日、5番目のオレンジネズミは「扇子だよ!動いていたもの」

土曜日、6番目の青ネズミは「ロープ以外の何物でもない」

 

誰も納得しません。言い争いが始まります。

そこで日曜日に、7番目の白ネズミが池に出かけました。「何か」の上に登って片方の端から別の端まで、くまなく駆け回ります。

その「何か」は、柱のように頑丈で、蛇のようにしなやかで、崖のように大きくて、槍のようにとがっていて、扇子のように風を吹かせ、ロープのように筋張っていて・・・

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それは、ゾウでした。

他のネズミたちも登っては駆け回り、納得しました。

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ネズミの教訓:

部分を知ることは面白いが、知恵は全体を見ることで生まれる。

 

英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~

・blind (目の不自由な、気づかないで、盲目的な)

・find out (正体を見抜く)

・spear (槍)

・nothing but (~にほかならない)

・sturdy (頑丈な)

・supple (しなやかな)

・breezy (そよ風の吹く)

・stringy (筋張った)

 

お気に入り度:

黒い背景にあざやかなネズミたち、そして切り絵で作られた、質感の素晴らしいゾウ。

絵本を見ている側の目線では、月曜日の時点でモロにゾウの足が見えていて「いや、どう見てもゾウでしょ(笑)」と思うのですが、ネズミたちは柱だとか蛇だとか争っていて。なんだか滑稽です。

 

タイトルの「blind」は、実際に目が見えないという意味なのか、盲目的で周りが見えていないという意味なのか、最後までよくわかりませんでしたが、きっと両方の意味でしょう。

イラストのネズミの目が真っ白なので「実際に盲目なのかな?」と思ったのですが、物語最後の文が「Now they saw, too.」なのです。この「saw」が実際に目で見たという意味なのか、単に理解したという意味なのかもよくわからず・・・。

このような含みのある単語をうまく使ってくるのも、作者のセンスですね。

 

そしてもうひとつ面白いのが、月曜~土曜までのネズミは「he」なのに、日曜のネズミだけ「she」なのです。男は一部を見て女は全体を見るということなのでしょうか!?

作者は女の人かとも思いましたが、中国人の男性でした。

 

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