Wedgieman and the Big Bunny Trouble -ウェジーマンと大きなウサギ-
作:Charise Mericle Harper、イラスト:Bob Shea。
あらすじ
正義の味方ベジーマン(Veggieman)は、子供たちからはウェジーマン(Wedgieman)と呼ばれています。ベジーマンは、子供たちが喜んでくれるならと、胸の「V」を「W」に付け替え、変な名前で呼ばれることを気にも留めません。
一方、悪者のバッドデュードは、世界征服をたくらみ、隠れ家でとある発明品を完成させます。その名も「P.O.O.P. (Powerful Ordinary-Object Phaser)」、物を大きくしたり小さくしたりする機械です。
ある日、ハチを大きくしようとしたバッドデュードは、間違ってウサギを大きくしてしまいます。お腹のすいていたウサギは部屋を飛び回り、ついにはバッドデュードに圧し掛かります。あばれたバッドデュードはハチに指まで刺されて散々です。
バッドデュードの叫び声を聞き、ウェジーマンが駆けつけます。ポケットにあったニンジンをP.O.O.P.で大きくしてウサギにあげ、バッドデュードを助けます。そしてウサギを元の大きさに戻して一件落着。
助かったバッドデュードは、ウェジーマンを小さくしてやっつけようとしますが、そうはさせないウェジーマン。機械を蹴っ飛ばして壊し、バッドデュードをやっつけます。
子供たちも大喜び。一件落着。
英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~
・wedgie (V字型、下着がおしりに食い込んでいる状態(俗語):wedgeは"くさび")
・dude (人、やつ(俗語))
・hideout (ギャングの隠れ家(俗語))
・take over (引き継ぐ、乗っ取る)
・zap (レーザー光線などで急襲する(口語))
・"beat it!" (「出ていけ!」)
・aim X at Y (XをYに向ける)
お気に入り度:★★★☆☆
本屋で子供が欲しがったので買いましたが、最初この話の何が面白いのかよくわからず、「ヒーローが悪者を倒すだけだよね・・・?」と思っていました。でも、子供はケタケタ笑って楽しんでいるのです。
話を聞くと、「Wedgieはパンツをこうやること(上に引っ張って食い込ませるジェスチャー)。P.O.O.P.はうんちだよ」と教えてくれました。つまり、小さい子の好きそうな下ネタが散りばめられた本だということです。大人はこんな用語に触れることがないので、理解できなかったわけです。
wedgieを辞書で引くと、「パンツが尻の間にはさまって食い込んでいる状態、またはパンツの腰の部分を上に引っ張り上げ、意図的に尻の間に食い込んだ状態にする行為を指す英語の俗語である」(weblioより)と大真面目に説明してあって、笑ってしまいました。
この本は、小学校1~3年生が自分で読むというシリーズで、50ページ弱あり、絵本にしては長めです。口語や俗語がたくさん使われているので、きれいな英語を学ぶには適していません。でも、生きた英語を学ぶ上ではこういう本もいいんだろうなと思いました。
・・・それにしても、渡米した頃には赤ちゃん絵本すら理解できなかったわが子(小1)が、たったの9ヶ月でこんな本を一人で読めるようになり、親以上にしっかり内容を理解していることに、心底驚きました。