アメリカえほん記

アメリカで読んだ英語絵本の記録です。

The Biggest House in the World -せかいいち おおきな うち-

作:Leo Lionni。

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あらすじ

「大きくなったら、世界一大きい家(殻)に住みたい」というカタツムリのこどもに、お父さんは「小さい方がいいこともあるんだよ」と言って、ある物語を話し始めます。

昔々、自分の殻を大きくしたいと考えたカタツムリが、体をひねったり押したりして殻を大きくすることに成功し、メロンのような大きさの殻になりました。

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さらにしっぽを左右に動かしたりしているうちに、とがった膨らみも出てきて、強く願ううちきれいな色や模様もできました。カタツムリは大満足です。

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しかし、ある日、キャベツの葉を食べつくした仲間たちが別の場所に移動しようとしたときに、カタツムリは殻が重くて動けません。一人取り残されたカタツムリは、食べるものがなくて死んでしまいます。後に残ったきれいな殻も、少しずつ崩れていき、跡形もなくなります。・・・

 

この話を聞いたカタツムリの子供は、自分の殻を大きくしないと決めます。

小さな殻を背負って散歩に出かけたカタツムリは、そよ風に揺れる花や朝日にきらめく地面、きのこや松ぼっくりやレースのようなツタなど、美しい世界を見て幸せでした。

そして、誰かから「どうしてそんなに殻が小さいの?」と聞かれたときには、あのお話を聞かせてあげるのです。

 

英語学習者の視点から~覚えた単語や言い回し~

・swiftly (迅速に)

bulge (ふくらみ)

・swarm of (~の群れ)

・awe (畏れ)

・knobby (節くれだった)

・fade away (消えていく、消えうせる)

・nothing remained but (あとには~だけが残った)

・crumble (ぼろぼろに崩れる、粉々に砕ける)

・in tears (涙を浮かべて)

・fern (シダ)

・lichen (苔)

・cling (くっつく)

・dew (しずく、露)

・"How come~" (「~なのはどうして?」)

 

お気に入り度:

 大きくなりたい、という無邪気なこどもの希望を否定せず、物語で警告するお父さん、なんだか素敵です。

大きくなりすぎたカタツムリの物語は作り話だと思うのですが、物語の最後でカタツムリの子が散歩に出かけたときに、地面にカラフルな石がさりげなく描いてあります。このページを見た子供は、「あ、これ、あのカタツムリの殻だよ!」と言っていました。

みどりの葉っぱの上に地味なカタツムリがいるページと、カラフルなカタツムリの鮮やかな色合いのページとのギャップにはっとさせられ、引き込まれます。レオ・レオニの絵本はどれも色遣いが素晴らしくて大好きです。

日本語版は、谷川俊太郎さんが翻訳されています。

せかいいちおおきなうち―りこうになったかたつむりのはなし

せかいいちおおきなうち―りこうになったかたつむりのはなし

 

 

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